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還暦を迎え、身の丈に合った、無理をしない、シンプル・ライフ備忘録

タグ:読書

8月15日。戦後72年、終戦の日。
先週末から、戦争に関する特別番組が多く放映されている。

ちょっと古い本だが、読んでみた。
『日本人の誇り』 藤原正彦(2011.04) 文春新書

「はじめに」から抜粋。

 「歴史を書くというのは憂鬱な仕事」であり、「近現代史、特にそれを俯瞰するようなものを書くとなると大変」だ。「著者の近現代史観がもろに出てしまう」。
 「近現代史観というのは、現代の政治、経済、社会など我々の周りで起きているほとんどの現象をどう見るかに深くかかわって」おり、「自らの見識を露にすること」である。

 「一介のおっちょこちょいで無鉄砲な数学者が、右でも左でも中道でもない、自分自身の見方を、溢れる恥を忍んで書き下ろしました。」
 「戦後六十六年にもなるのに」「不毛な歴史論争を続けているという状態は、日本人が歴史を失っている状態とも言え、不幸なことと思ったからです。」
 「歴史を失った民が自国への誇りと自信を抱くことはあり得ません。この誇りと自信こそが、現代日本の直面する諸困難を解決する唯一の鍵なのです。」

(目次)
第一章 政治もモラルもなぜ崩壊したか
第二章 すばらしき日本文明
第三章 祖国への誇り
第四章 対中戦争の真実
第五章 「昭和史」ではわからない
第六章 日米戦争の語られざる本質
第七章 大敗北と大殊勲と
第八章 日本を取り戻すために

『オケ老人!』 荒木 源 (小学館文庫)

出張の際に、電車の中で読むために、駅の近くの書店で購入。
人を食ったようなちょっとふざけたタイトルが目に留まった。

電車の中で気軽に読むには、仕事関係の本よりもこの手の小説が良い。
ストーリーに集中している間に、あっという間に目的地に到着する。

地方都市のアマチュアオーケストラをめぐる娯楽小説だ。
年寄りばかりのオーケストラ、それとは全く反対のエリート志向のオーケストラ。
エリート・オーケストラに憧れながらも老人オーケストラを指揮することになった若者が主人公。

音楽の解釈、演奏表現の描写、曲の仕上げ方、オーケストラの方向性、オケの中の人間関係、老人の人生経験、プロの指揮者から見たアマチュアの音楽など、いろいろな視点から面白く描かれている。

アマチュアで音楽を楽しむ人は、同感する部分がたくさんあると思う。
私も、週末は地域の吹奏楽団でサックスを吹くが、「あるある、わかるわかる」とうなずける。

映画にもなる(なっている?)らしい。

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「日本人の英語はなぜ間違うのか」マーク・ピーターセン
(集英社2014)

本の帯には次のように大きく書かれている。
「英語下手の原因は中学校の教科書にあった!」
奇妙な英語よ さ・よ・う・な・ら

最近の本は、出版社の広報作戦だと思うが、かなり大げさで挑発的な言葉を並べたものが多い。看板は派手だが、中身は大したことがない本も多い。

しかし、この本はそうではない。
著者がこれまでに書いた「日本人の英語」(岩波新書)をずいぶん前に読んだが、それに通じるものがある。
この本では、著者が教えている大学生の英語の間違いと中学校の英語教科書の英文を比較しながら、間違いの原因が中学校の英語にあることを指摘している。
しかも、嫌みのない、具体的、客観的な書き方で、わかりやすく。

全部で10章からなるが、とても読みやすい。
各章のタイトルからいくつか抜粋してみると、
第1章 英語教科書が抱える問題
第3章 冠詞theと数への無関心
第6章 人気者のsoの用法に関する誤解
第7章 itとthatを使い分ける
第8章 単語の無意味な「繰り返し」を防ぐには?
第9章 「論理の飛躍」が多すぎる

「中学校レベルの英語がマスターできれば日常会話は十分」と言われることがある。
確かにそうだが、この本の内容は中学レベルの英語を、大人の言葉として使いこなすためのアドバイスがたくさん書かれている。

教科書のあら捜しをして喜んでいるようなレベルの低い本ではない。

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入院中には、新書本もよく読んだ。

英語多読のすすめ。学生時代にこんな本に出会いたかった。
学生時代、英文学はあまり好きではなかった。

「英語は多読が一番!」(ちくまプリマ―新書)2008
「楽しく習得!英語多読法」(ちくまプリマ―新書)2016

一気に読んでしまった。おもしろかった。でも、それだけ…
「上司になってはいけない人たち」(PHPビジネス新書)2014

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8月の入院中、病院の図書館を覗くと文庫本がたくさんあったので、こんな本を借りた。日頃小説はあまり読まないけど、暇つぶしにちょうど良かった。

今さらながら、池井戸 潤。
テレビでやっていたのは知っていたがドラマは見ていない。
「空飛ぶ広報室」(有川浩)も、テレビドラマになっていたようだ。

9月以降も暇を見つけてちょこちょこ小説を読む時間が増えた。
ますます無線の時間が減りそうだ。

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