「英語独習法」
今井むつみ(2020年 岩波新書)

著者の専攻は、認知科学、言語心理学、発達心理学。
英語学習に関しては、とにかくたくさんの本が出版されている。
そしてこの手の本の特徴として、著者自身の体験に基づくものが多い。

「英語独習法」は、そういったハウツー本とは少し違う。
語彙の習得、記憶のメカニズムについて専門の著者が、日本人にとって英語の習得には高い語彙力が必要であり、語彙力を高めるためには何が有効か、どうすれば記憶・習得できるのかを説明している。
コーパスの活用法も具体的に詳しく書かれているが、なかなかコーパスまで使ってみようという気にはならない。

一般的によく奨励される「多読」「多聴」は、語彙の習得に関してはあまり効果がないと明確に言い切っているのは印象的。
確かに「聴くだけでOK」「これだけでOK」なんてことはあり得ない。


英語独習法