バトラー後藤裕子 2015年 岩波新書
本書「おわりに」から抜粋
本書「おわりに」から抜粋
子どもは語学学習の天才であるかのような思い込みは、保護者はもちろんのこと、一部の教育関係者や政策立案者の間でも根強い。
そこで、外国語の習得について、科学的に何がわかっていて何が憶測なのかを、一度きちんと整理してみたいと思ったのが、この本を執筆することになった直接の動機である。
実証研究の結果を整理したうえで、何が現実的な期待であり、どのような形で早期外国語学習を導入してあげることが子どもたちにとってよいのかを考えてみたかったからである。
目次から抜粋
第1章 逃したらもう終わり? ―臨界期仮設を考える
第2章 母語の習得と年齢
1 赤ちゃんの言語習得
3 手話の発達と習得開始年齢
第3章 第二言語習得にタイムリミットはあるか
1 子どもの耳は本当に優れているのか
3 母語と第二言語の語彙習得はトレードオフの関係?
5 脳科学は救世主となるか
第4章 習得年齢による右上がりの線 ―先行研究の落とし穴
1 年齢と習得期間のジレンマ
第5章 第二言語学習のサクセス・ストーリー
1 大人から始めてもネイティブなみに話せるようになるか
第6章 外国語学習における年齢の問題
1 「早いほど良い」という神話
2 学習開始時期か授業時間数か
3 読み書きの習得
第7章 早期英語教育を考える
1 早期開始より量と質
2 読み書きの導入
3 誰が指導するのか
4 英語分断社会